本日発売された『SFが読みたい!2014年版』から新井素子さんに関する記述を拾ってみました

SFが読みたい! 2014年版

SFが読みたい! 2014年版

毎年出版されているSFガイドブック、『SFが読みたい!』(SFマガジン編集部編/早川書房)の2014年版が本日発売されました。SF関係者の投票によって選ばれたベストSF2013[国内篇・海外篇]のそれぞれ上位20作品が発表されています。
新井素子さんの『イン・ザ・ヘブン』*1は残念ながらランクインしていませんが、新井素子さんの名前が数箇所に登場していますので、その部分を抜き出してみます。

(1)【国内篇】ベスト20作品ガイド(香月祥宏)

P.15、「ランク外の注目作【国内篇】」の最後の部分で『イン・ザ・ヘブン』が紹介されています。

短編集も多彩で、奥泉光の変幻自在の連作短編集『虫樹音楽集』(集英社)、星新一ブラッドベリへのオマージュを含む瀬名秀明の『月と太陽』(講談社)、人生や世界の”おしまい”を描いた作品群が印象的な新井素子『イン・ザ・ヘブン』(新潮社)、ベテランの技が光る眉村卓『自殺卵』(出版芸術社)といったところは、ランク外ながら要チェックだ。

(2)マイ・ベスト5[国内篇]

105名の全アンケート回答が掲載されています。P.61の片理誠氏(SF作家)とP.62の宮野由梨香氏(SF評論家)が『イン・ザ・ヘブン』を挙げています。
片理誠氏のコメントより。

勇気づけられ、鼓舞された書き手の一人として、『イン・ザ・ヘブン』収録の「あけみちゃん」に心からの感謝を。

片理氏は、「あけみちゃん」が最初に発表されたwebマガジン「SF Prologue Wave」の編集長を現在務めております。よほど思い入れが強いようで、twitterでは過去にこんなツイートも投稿していらっしゃいました。

最初に発表されたバージョンの「あけみちゃん」は「SF Prologue Wave」で読むことができます。*2

(3)サブジャンル別Best10&総括|文芸ノンフィクション(長山靖生

P.100で新井素子さんのエッセイが収録された『未来力養成教室』(岩波ジュニア新書)が取り上げられています。

論集では、日本SF作家クラブ編『未来力養成教室』は、現代の中高校生に向けて編纂された一冊。東野司の序文を巻頭に、新井素子荒俣宏、上田早夕里、神坂一神林長平新城カズマ長谷敏司三雲岳斗夢枕獏の九氏が、それぞれに工夫を凝らして、未来について、未来に思いをめぐらすということの困難と喜びについて、妄想力と想像力について、今どきの若者に語りかけている。
今日、未来への希望を抱くことは極めて困難になっている。日本では人口減少が問題視されているが地球規模で言えば人口爆発こそ危機であり、地球環境のためには「発展の抑制」こそが課題だ。そんな時代に、若者にどうやって「未来への想像力を駆使すること」の勇気を伝えるか。「がんばれSF」は、今や「がんばれ人類」と同義である。

新井素子さんのエッセイのタイトルは「小さなお部屋」です。*3

(4)このSFを読んでほしい! SF出版各社の2014年の刊行予定

P.112で、『星へ行く船』完全版の刊行はどうなっているのかを出版芸術社さんが語っております。

新井素子さんの《星へ行く船》シリーズ再編集版は、書き下ろしの短篇が出来次第の刊行開始となります。

やっぱり書き下ろし短篇がまだ書き上がっていないんですね。
刊行がいつになるかは判りませんが、『ランティエ』で「未来へ……」が連載中ですし、待つのはそう辛くないと個人的には思っています。

(5)ブックガイド/SFで読み解く2013年

2013年に流行したものやニュースから10のトピックを取り上げて、編集部とレビュアーが関連するSF小説6本とそれ以外のおすすめ本を紹介する、というコーナー。P.138-140の「2020年東京オリンピック開催決定――東京という都市、環境」(渡邊利道)では、その他のオススメ作品として新井素子さんの『・・・・・絶句』が紹介されています。

オリンピック東京開催が決定したときに筆者が驚いたのは、ツイッター等で「七年後には自分がどうしているか」と多くの人が希望を持って語らっていたことだった。ここ数十年、未来があのように明るく語られたことは記憶にない。新井素子は往々にして憧憬と憎悪の複合的な感情で語られる東京を、率直な愛情を持って描き続けた作家だ。初期の代表的長篇『・・・・・絶句』(ハヤカワ文庫JA)は、八〇年代の東京とサブカルチャーが持っていた明るさをストレートに描いた、今こそ再読されるべき傑作。

練馬も東京の一部ですね。

…絶句〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

…絶句〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

…絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

…絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

(6)2013年度SF関連書籍目録

P.189にアンソロジー『SF JACK』が、P.187に『イン・ザ・ヘブン』が掲載されています。『SFマガジン』の書評欄「SFブックスコープ」にて、前者は2013年5月号で、後者は2014年1月号で取り上げられました。
『SF JACK』*4のために書き下ろされた短編小説「あの懐かしい蝉の声は」は、その後『イン・ザ・ヘブン』にも収録されました。

イン・ザ・ヘブン

イン・ザ・ヘブン