新井素子さんのデビュー作「あたしの中の……」が収録された『日本SF全集』第3巻が出版芸術社より1月10日に発売されました。
日本SFの代表作を収録したアンソロジーシリーズの最新刊です。発売が延び延びになっていましたが、遂に出ました! この巻には1978年〜1984年の作品を収録。(厳密に言えば「あたしの中の……」が掲載されたのは1977年12月26日発売の『奇想天外』1978年2月号なので、この範囲には収まっていないんですが。)
帯にはこのように書いてあります。
SFの浸透と拡散
「奇想天外」「SF宝石」「SFアドベンチャー」……。
専門誌が群雄割拠する中、スペース・オペラに、ヒロイック・ファンタジーに
新たな世界を開拓した第3世代作家の登場!
収録作は下記の通り。
- 「あたしの中の……」新井素子
- 「蒼い旅籠で」夢枕獏
- 「言葉使い師」神林長平
- 「火星鉄道(マーシャン・レイルロード)一九」谷甲州
- 「そして誰もしなくなった」高千穂遙
- 「時の封土」栗本薫
- 「流星航路」田中芳樹
- 「われても末に」式貴士
- 「若草の星」森下一仁
- 「夜明けのない朝」岬兄悟
- 「オーガニック・スープ」水見稜
- 「ウラシマ」火浦功
- 「花狩人」野阿梓
- 「ノクターン・ルーム」菊地秀行
- 「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」大原まり子
それぞれの扉ページをめくると「著者のことば」がありまして、新井素子さんも当時の思い出を語っていらっしゃいます。
巻末には編者である日下三蔵氏と、星敬・山岸真・牧眞司の三氏による座談会「第三世代作家の登場」も掲載されており、新井素子さんの登場が読者側にどのように受け止められたのかも語られております。
個人的な思い出ですが、僕が新井素子さんのあとがきに影響されて『SFマガジン』を買い始めたのが1982年でして、リアルタイムで読んでいた作品も多く収録されているのがうれしいです。今読んでも「言葉使い師」や「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」には心を揺さぶられるものがあります。
新井素子さんとその同世代の作家がいよいよ登場して来た第3巻、粒よりの作品が揃ってますので、もしよろしければお読み下さい。
- 作者: 日下三蔵
- 出版社/メーカー: 出版芸術社
- 発売日: 2014/01/10
- メディア: 単行本
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