日本経済新聞3月31日朝刊の日経「星新一賞」全面広告に新井素子さんのコメント

少し前の話で恐縮ですが、日本経済新聞の3月31日付け朝刊に日経「星新一賞」の全面広告が掲載されました。

ショートショートの神様」と呼ばれたSF作家、星新一。その名を冠して創設された理系的発想力を競う文学賞、日経「星新一賞」(主催・日本経済新聞社)の受賞作がこのほど決定した。3月15日に国立新美術館で授賞式が行われ、各受賞者が喜びを表した。

日経「星新一賞」のグランプリ決定を報じた広告で、審査員である新井素子さんの談話やコメントが掲載されました。本文中では授賞式の様子が書かれています。

最後に審査員を代表して新井素子氏が登場。
「『理系文学』というだけに、もっと難読で不可解な作品が集まるのではと心配したが、きちんとした小説になっていた。星新一的なショートショートは、簡単そうで実はとても難しい。しかし応募作には斬新なアイデアや思いがけない展開、そして意外なオチを満たしているものが多く、その力量に驚いた」と総評を述べた。また審査についても、「他の文学賞ではありえない、わが国の理系を代表する方々とご一緒し、その視点の新鮮さや鋭さに触れられ、私自身とても刺激的な経験だった。こうしたユニークな審査員の顔ぶれも日経『星新一賞』が誇る特徴の一つ」と語った。
さらに、審査時は個人情報が開示されず作品だけで選考したことを明かし、「どんな方が書いたのか、今日お会いできるのを待ちわびていた」と喜びを表した。そして「この賞が生み出すサイエンスイマジネーションの世界が新しい現実の科学や発明を刺激していけたら、科学と文学が双方向で発展できて面白い」と、今後への期待を述べ、挨拶を締めくくった。

新井素子さんがこの文面通り喋ったの? と新聞的にまとめられている可能性を疑いつつ、だいたいそういう内容だったんだろうと認識しました。
新井素子さんの審査員コメントもあります。

一般部門グランプリは、一見とっつきにくく思えるがすらすら読める文章力の高い作品。グラフや図も文体の一種だと思えば、非常に印象的な文体だ。ジュニア部門は、主人公の翔太のちょっと切ない感じがよく出ている、いい”雰囲気”のお話だ。

受賞作5作は日経ストアからダウンロードして読むことができます(ただしID登録、アプリのインストールなどの手間がかかります)。新井素子さんの選評も載っていますので興味のある方はダウンロードしてみてください。→【無料】日経「星新一賞」 第一回受賞作品集