星新一生誕90周年記念バラエティブック『きまぐれ星からの伝言』(徳間書店)に新井素子さんの作品解説など収録

星新一生誕90周年を記念したバラエティブック、『きまぐれ星からの伝言』(牧眞司・編/徳間書店)が、8月31日に刊行されました。小説・エッセイ・翻訳・インタビュー・対談・講演などが収録されております。
「第3章 作品解説」では日本SFの最前線で活躍する15名による星新一作品の解説を収録。新井素子さんも『声の網』の解説を寄稿しています。*1
注目は単行本初収録のエッセイや対談などが多数収録されたことで、その中には新井素子さんのデビューのきっかけとなった、あの伝説の「第1回奇想天外SF新人賞」もありました。新井素子さんの投稿した「あたしの中の……」を巡り、強力に推す星新一と、その文体を認めない小松左京筒井康隆がやり合う論争は、何度読んでもスリリングでエキサイティングです。何しろここで星新一が認めなかったら、新井素子さんはデビューできなかったか、もしくはデビューが遅くなった訳ですから、新井素子ファンにとっては死活問題ですよ。未読の方はこの機会にぜひ読んでみることをおすすめします。
(個人的には、この選考会での星新一の言葉の裏にあるものを、この本の他の文章から探る楽しみもあるのでは、と思っております。まだ少ししか読んでいないので楽しみです。)

きまぐれ星からの伝言 (文芸書)

きまぐれ星からの伝言 (文芸書)

今年は星新一の生誕90周年、来年2017年は作家デビュー60周年なのだそうです。で、2017年は新井素子さんの作家デビュー40周年にも当たります。何か記念イベント的なものを開催できるといいですね。

*1:新井素子さんは過去に「私は星さんの作品では「声の網」が一番好きなんです。」と仰っておりました。→素研|新井素子関連文献:『声の網』