現在発売中の『小説新潮』8月号に新井素子さんの短編小説「妾は、猫で御座います」が掲載されています

7月22日に発売された『小説新潮』8月号(新潮社)では、【夏目漱石没後100年記念企画「吾輩も猫である(前編)」】という企画が組まれており、その中に新井素子さんの短編小説「妾は、猫で御座います」が掲載されてました。タイトルはもちろん『吾輩は猫である』の捩りで、主人公である猫が一人称で語る、というスタイルも踏襲しています。
で、その猫が、なんと、ファージなのです。なぜ人間は猫を飼うのかをファージが考察し、ファージから見た大島家の様子が描かれます。「結婚物語」シリーズの番外編といった趣です。
角川文庫の『結婚物語』上・中・下巻が刊行されてから、今年でちょうど30年です。その年にシリーズ最新作『ダイエット物語……ただし猫』が刊行され、「妾は、猫で御座います」が発表される、というのはなかなか感慨深いものがあります。
夏目漱石没後100年記念企画「吾輩も猫である(前編)」】では4編の小説が掲載されました。

赤川氏の「いつか、猫になった日」というタイトルを見て、もしかして「いつか猫になる日まで」を意識しているのでは、と思ったのは僕だけじゃないと思います。*1

小説新潮 2016年 08 月号 [雑誌]

小説新潮 2016年 08 月号 [雑誌]

吾輩は猫である (新潮文庫)

吾輩は猫である (新潮文庫)

*1:赤川次郎氏は角川文庫版『ひとめあなたに…』の巻末解説を書いていますし、新井素子さんは赤川ファンだったりします。ちなみに、赤川氏の作家デビューは1976年、新井素子さんは1977年。→ 新井素子研究会|関連文献|赤川次郎