作品社より8月下旬に刊行される『3.11の未来――日本・SF・創造力』(笠井潔・巽孝之監修/海老原豊・藤田直哉編)に新井素子さんの「東日本大震災について」という文章が収録されるそうです。→【作品社|近刊案内】
内容は下記の通り。
- はじめに
- 小松左京「序文――3.11以降の未来へ」
- 目次/趣旨文・編集一同
- 第一部 SFから3.11への応答責任
- 第二部 科学のことば、SFのことば
- 第三部 SFが体験した3.11
- 第四部 3.11以降の未来へ
- 結語――またはゼロ年代の終わりに
- 資料
- ブックガイド40作
編者の藤田氏のコメントを紹介しておきます。
『SFと311』(仮)に小松さんが書いてくださった、おそらくは遺稿となるであろう巻頭言を読み返していたんだけど、小松さん、そんな状況で、悲惨を知っているが上での「前向き」さを強く打ち出そうと決意して日本を励まそうとしているというのが、なんか圧倒的に気高くて、これは泣いてしまう
— 藤田直哉@『地域アート美学/制度/日本』 (@naoya_fujita) 2011年7月28日
400ページで1800円。編集者が必死に闘って、僕と海老原氏は編者印税を断って、値段を下げました。三ヶ月間、必死に走りながら作りました。力強い論考や原稿ばかりで、原稿をお願いした僕が励まされるぐらいでした。どうかお手にとって、その「言葉」に触れてください。
2011-07-28 19:15:30 via web
8月2日追記
7月30日の産経新聞朝刊に小松左京が書いた序文についての記事が掲載されたことを、版元である作品社の方にtwitterで教えて頂きました。「小松左京さん遺稿|大震災「姿勢と情念 信じたい」」というタイトルが付いています。
26日に死去したSF作家、小松左京さん=写真=が8月に刊行される東日本大震災についての企画本に原稿を寄せていたことが29日、分かった。「3・11以降の未来へ」と題した原稿用紙約4枚分の文章で、小松さんは「まだ人間の知性と日本人の情念を信じたい。この困難をどのように解決していくのか、もう少し生きていて見届けたい」と記していたが、遺稿となった。この本は、SF作家や評論家の文章を集めた「3・11の未来 日本・SF・想像力」(作品社)。序文を依頼された小松さんは、3月11日を「日本の文明に大変革をもたらした日にちとして、多くの人々に記憶されることになるだろう」と変革への心構えを説く。その上で「想像力をフル稼働させて、次の世代の文明に新たなメッセージを与えるような想像力を発揮してもらいたい」と若い作家を鼓舞する。
また、原発事故について「数千万人の人々を不安にさせているが、二〇一一年七月現在、まだ一人も死に至らしめていない。この事実を冷静に見つめたい」と批評している。
amazonでは予約の受け付けが始まりました。8月23日頃に発売されるようです。