第22回読書感想画中央コンクールで『おしまいの日』の感想画が中学校の部の最優秀賞を受賞

第22回読書感想画中央コンクールの表彰式が本日行われ、新井素子さんがゲストとして出席されました。詳しい経緯は判らないのですが、中学校の部で最優秀賞を受賞した生徒さんの題材が『おしまいの日』だったので、もしかするとその関係で招待されたのかも知れません。
読書感想画中央コンクールについては下記のサイトをご覧ください。表彰式の模様を伝える動画がありますので、祝辞を述べる新井素子さんのお姿を見ることができます。

主催団体の一つである毎日新聞に記事が掲載されていました。

◇感動シーン、一枚に
本の世界で得た感動を絵で表現する「第22回読書感想画中央コンクール」(全国学図書館協議会、実施都府県学校図書館協議会、毎日新聞社主催。実施都府県教委、横浜・名古屋・大阪各市教委、全国造形教育連盟後援。凸版印刷協賛。大和証券グループ本社大和証券特別協力)の入賞作品が決まった。25日の表彰式(東京・如水会館)を前に、各部で最優秀賞に輝いた4人に、受賞作に込めた思いなどを聞いた。
(中略)
◇原作にない部分も表現−−中学校の部、青森県立三本木高付属中3年・小川茜さん
■「おしまいの日」新潮社
「信じられません」。中学校で1万5586点の応募があった中で、最優秀賞を受賞したことに驚くとともに、喜びがこみあげる。
父隆さん(52)の書斎にあった新井素子の著書。何気なく手にして引き込まれた。主人公の坂田三津子は東京・世田谷の一戸建ての貸家に住み、一流企業に勤める夫のために毎日夕食を作り、自分も食べずに帰りをひたすら待つ。夫の帰りは連日遅く、次第に三津子は心に変調を来すというサイコホラー小説だ。
285ページを一気に読んでしまった。「怖い小説でしたが、ストーリーのすごさに感動しました。それを言葉ではなかなか伝えきれない。絵なら表現できると思いました」と応募の理由を語る。
主人公、作品に登場する猫、ゴルフクラブなどを水彩絵の具で描いた。所属する美術部の活動を利用し、アイデアを含めて3週間で完成させた。「原作にない部分も自分なりに考えて絵にしました」と振り返った。【松沢康】
(後略)

【毎日jp読】書感想画中央コンクール:入賞作決まる(その1) 最優秀4人の声

◇感動を幻想的表現
第22回読書感想画中央コンクール(全国学図書館協議会、県学校図書館協議会、毎日新聞社主催)の中学校の部で、県立三本木高校付属中3年の小川茜さんが最優秀賞に輝いた。受賞作「おしまいの日を読んで」はSF作家の新井素子のサイコホラー小説「おしまいの日」を基にイメージした。「すごく、うれしい」と顔をほころばせた。
原作小説は仕事人間で帰りが遅い夫を待つ妻がだんだんと心を病んでいくショッキングな内容。日常に潜む人間の心の怖さを表現した内容に驚いた。20年近く前に書かれた小説だが「ストーリーに古さは感じませんでした。普段、本を読み返すことはあまりありませんが何度も読み返しました。読むたびに新しい発見がありました」と感動を振り返った。
絵が好きで、部活動は美術部。「感動をみんなに絵で伝えたい」と考え、登場人物の妻など引き付けられた小説の世界を幻想的に表現した。
表彰式は25日、東京都千代田区如水会館で行われる。【松沢康】

【毎日jp】読書感想画中央コンクール:県立三本木高付属中3年生・小川茜さん、最優秀賞/青森

感想画「おしまいの日を読んで」を拝見しましたが、感情のマイナス面に訴えかける不安な感じが良く表現されていて素晴らしいと思いました。
若い世代が新井素子さんの小説を読んで感銘を受けたり好きになってくれたりするのは、実にうれしいことですね。

おしまいの日 (新潮文庫)

おしまいの日 (新潮文庫)